毎日食べれば病、知らず!国産大豆納豆。

2000年6月2週号

 

納豆は成人病や老化を抑制する発酵食品の王様です。その納豆パワーは医学的にも次々と明らかになっています。かつては関東や東北地方の郷土色的なイメージが強かったのですが、現在ではそのおいしさや納豆パワーが知られるにつれ、全国的な納豆ブームとなったのです。

(株)本伝九曜紋の三角納豆
 本伝九曜紋の藤川義輝さん(次回コロコロコロッケで詳しくご紹介を予定しています)は国産無農薬原料にこだわり、伝統ある経験と技術を活かし、昔ながらの三角納豆を作られています。

<原料>
●100%北海道産有機無農薬栽培すずまる大豆(小粒大豆)
 鵡川町スズマル生産組合、組合長長門宏市さんらのすずまる大豆は蛋白質などの大豆成分が優れ、食感がよく、食べやすい小粒大豆です。
●納豆菌
昔はワラで作った「苞」という容器で、そのワラにいる粘草菌(バチルス・ナットウ)を生かして作っていましたが、今は納豆菌胞子を直接煮豆に加えています。
●包材は昔ながらの赤松の経木
この赤松の経木で、昔ながらの香りのよい、三角納豆ができています。群馬県佐藤経木工場で製造した経木を使用。赤松のヤニは殺菌効果があります。自然に優しい包材です。三角納豆を包んでいるのはポリプロピレンの袋で、焼却できます。

<製造方法>
 市販納豆の製造(充頃)は、全工程をライン化し、スピードアップして1人の作業員で1時間に約63000個も作るシステムです。それに対し本伝九曜紋の三角納豆はあえて、手造り(盛り込み)は3名1班編成で1時間に約600個を作っています。生産性は非常に悪いのですが、伝統的な技術や包材でおいしい納豆を造るためなのです。
また、煮た大豆を醗酵室で発酵させる際にも、おいしさを追求して乾燥の抑制や適度の保水を良くするために専用シートを考案して、キメ細かい手間をかけ、納豆作りをされています。
なお、製造ロットと品質維持の関係で、おいしさを逃がさないため、製造直後にマイナス25℃の冷凍にし、そのまま家庭にお届けしています。冷凍庫から出して、常温で1時間~1時間半で解凍すれば、炊き立ての風味でお召し上がりいただく事ができます。解凍後の賞味期限は7日間です。

三角納豆

手作業で経木に包んでいます。
山重食品の「小粒納豆」「カップ入り納豆」
山重食品の社長山本公一さんは2代目です。先代は納豆の本場、東北の山形から大阪に働きに来て、そのうち納豆作りを始められた方です。山本さんもおいしさにこだわって原料の国産にこだわっていらっしゃいます。

<原料>
●100%北海道すずまる大豆(小粒)
納豆作りに向いている国産のすずまる大豆を使います。納豆作りのためには納豆を煮るとき品質が一定でないとだめなので、市販のほかの大豆加工品の場合のように、中国やアメリカなどの外国産の混合はありません。不足時には、他の国産大豆を使用することがあります。
●納豆菌。

<製造方法>
 丸大豆をおいしさ、風味を逃がさないよう温度を加減して蒸気で煮ます。そのあと胞子状態の納豆菌を混合して、小型紙容器に入れ、醗酵室に入れます。この発酵条件はおいしさを逃がさないようコンピューターで条件を管理されています。食べやすい1人前用小型容器入りになっています。

<包装資材>
カップ→紙(ポリプロピレンコート)、ふたシール→ポリプロピレン(OPP)、ポリエチレン(PE)、被膜→ポリエチレン(PE)、台紙→紙、外装フィルム→ポリプロピレン(PP)。

<処理の方法>
塩化ビニール等は含まれていません。燃やしても有毒ガス等は発生いたしません。

≪お召し上がり方≫
生で冷蔵扱い・要冷蔵(1~10℃)なので、1週間程度でお召し上がり下さい。シャリシャリする場合や白い斑点が着く事がありますが、これは納豆菌の作用によるアミノ酸の結晶です。安心してお召し上がり下さい。卵、海苔、辛子、生葱などを加えれば一層おいしく召し上がれます。


山本公一社長(右)と奥様の千恵子さん(左)

小粒納豆
話題の納豆パワー
①イソフラビン、サポニン、ビタミンE、ビタミンB、アデノシン、ウラシル、トリプトファ →活性酸素を抑制し、糖尿病、心臓病、心筋梗塞、胃炎、動脈硬化を防ぐ。
②サポニン→ 動脈硬化、高血圧に有効、肥満防止、肩こり解消、大腸ガンの予防、エイズウィ
③水溶性ペプチド→ 血糖値を下げ、糖尿病を改善。
④ナットウキナーゼ→ 血栓を溶解、脳梗塞、脳卒中、心筋梗塞の予防、治療、白内障、飛紋
⑤ネバネバ成分(ムチン)→ 胃壁の保護、腸の掃除、細胞の老化を防ぐ。
⑥ホスファチジルコリン→ 子供の脳の機能を高める。老化や健忘症や痴呆を防止。
⑦ビタミンB2→ 体内の溜まりすぎた脂肪をスムーズに燃やして、肌を美しくしダイエット効
⑧豊富なビタミンK2、イソフラビン→ 中高年女性の骨を丈夫に、骨粗鬆症の予防。
⑨セレン→ 抗がん作用。
⑩ジピコリン酸→ O-157ブドウ球菌など食中毒の予防。豚の善玉菌には作用しない。
⑪オリゴ糖、繊維質→ 腸の善玉菌を増やす。
⑫カルシウムや優れた蛋白質が豊富。


市販の納豆の問題点
 納豆はたいへん体によい食品です。しかし原料が市販納豆のようにポストハーベスト農薬や遺伝子組換えの問題のある輸入大豆だと逆効果です。
また、その輸入大豆の成分を補うためにブドウ糖(遺伝子組換えトウモロコシ原料)などの糖分を発酵助剤として補う事がありますが、その表示はしなくてもよいのです。
また、容器に発泡スチロール製のものが一般的に使われていますが、これだと納豆から発生してくるアンモニア臭がこもって不快感の原因となってしまいます。


   ―文責 西川栄郎―

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