奄美モンキーバナナ(無農薬) 奄美島おこし生産グループ、(株)倉源の島おこしの夢をのせた品物たち(その3)

1999年9月4週号

 

奄美モンキーバナナ (無農薬)
 オルター代表西川栄郎が、徳島暮らしをよくする会で活動していた当時に主催した市民運動の洋上サミット「ばななぼうと」をきっかけに復活してきた奄美のバナナです。別名モンキーバナナ。
 昔、南方貿易で伝来し、奄美の風土に適応した在来種です。一般のフィリピンバナナ(カーベンディッシュ種:フィリッピン現地ではまずくて人間は食べない)と違い、人が食べるバナナとして最高の品質でおいしい。輸入バナナに比べて実が小型。独特の甘酸っぱさがあり、一度食べると忘れられないほどの味です。

<生産会員>
 倉本求、前田義三、田崎善児、泉いず子、徳雅仁、他
*品種 在来種
*農薬 無農薬
*肥料 ときどき鶏糞、油カス
*出荷時期 9月~11月下旬

 ●「生モノ」なので、他の農作物同様出荷時より届くまで多少目減りする。
  気温、雨量によって過熟したり、風味が左右したりする。
 ●農薬漬けのフィリッピンバナナの感覚とは全く違う熟度判断が必要。
  届く期間、時期により皮が固く、食べても「シブイ」ときがありますが、
  日数が経つに従い、必ず風味がでてきます。
 ●バナナの完熟法
  18~20℃が適温。青いバナナは台所やストーブ等火の気のある
  暖かい部屋の天井にビニール袋に入れて吊るすこと。
  冷所におくと、朽ちて熟さないので注意して下さい。
 ●食べ頃
  モンキーバナナの表皮が黄色くなり、
  指でつまみ「軟らかい」と感触した時、試食する。
  多少渋味がある場合は2~3日おくと熟します。
  食べ急ぎしないことがコツです。
  但し仙人種バナナ(届くときがある)と記入がある時は、
  少し黄色くなれば食べられる。完熟を過ぎると風味が落ちます。
 ●モンキーバナナは腐る寸前がおいしいと島古老達は言います。
  無農薬なので表皮黒星病になり、黒褐色になりますが
  風味に全く関係ありません。
  かりに完熟期をすぎ、多少アルコール醗酵の匂いがしても
  食してよく、全く害はありません。気になる人は皮をむいて、
  割箸をさして冷凍してキャンデーにして食べると格別の味です。

奄美パイナップル (無農薬)
昨冬は熟しが早く品薄でした。イノシシやカラスによる食害と戦いながらの作付けです。果実肥大のため冠芽の芯止めや日焼け防止、保温のため果実を新聞紙などで包んでいます。

<生産会員>
 長岡ケイ子、白田ヨシエ
*農薬 なし
*肥料 牛フン堆肥、豚フン堆肥、鶏フン、油カス
*出荷時期 11月下旬~2月上旬

農薬漬けのフィリピンバナナ
 一般のプランテーションバナナは、木で実が大きくなるときに農薬を中に粉霧した大きなビニールの袋かけを行い、収穫後は索道で農薬プールのある作業場まで運ばれ、そこで5kg単位に農薬の粉霧したビニール袋に入れ、箱つめされて船積みされ、さらに船中と輸入後の倉庫で箱のまま農薬くん蒸が行われます。
 使用されている農薬はテミク(バナナを触っても危険)、TBZ(防カビ剤)を始め26~28種の農薬が使われ、芯まで浸み込んでいます。
 バナナの労働者の低賃金や危険などの犠牲の上に作られています。

―文責 西川栄郎―

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