高冷地で育ったおいしいゆずのゆず酢

2009年1月4週号

 

農薬ゆず果汁100%の柑橘酢。
鍋物や酢の物、お寿司はもちろん、毎朝の人参ジュースに最適です。

●冷涼な気候と控えめの施肥がおいしさの理由

 四国産地の剣山の山麓にある木屋平において、宮本房義さんらは無農薬でゆずを栽培しています。木屋平は高冷地であり、害虫もとくにおらず、たいへんゆず栽培に適しています。ゆず酢にするので皮の美しさなど見栄えのための農薬は全く必要ありません。ただし無農薬ながら、きれいな実がなっています。
 木屋平は他のゆず産地と比べて標高が高いため、おいしいゆずが育ちます。肥料は自家製鶏ふん堆肥を使っています。肥料を入れすぎないこともおいしいゆず栽培のこつです。宮本さんのゆず酢がおいしく好評な理由がここにあります。

●三十数年前の反骨精神は、正しかった

 宮本さんとのお付き合いは、私が徳島で安全な食べものの共同購入活動を開始するかしないかの三十数年前からです。宮本房義さんの亡くなられたお父様、故・宮本増一さんが当時村会議員をされており、近くで製薬会社向けに薬草栽培をしていた方の仲立ちで出会いました。
 宮本さんはその頃からゆずを植え始めました。1974年当時、他産地ではゆずの木を邪魔者扱いして切り倒していた時代です。「政府のいう農政とは逆向きで農業をやるほうがいいのではないか」と、お父さんと話し合った記憶があります。ここ数年、全国でゆず不足になり、ゆずが高騰していることを思うと、まさに先見の明があったということです。

●顔の見える関係の無農薬ゆず酢

 とれ秋に収穫した宮本さんのゆずは、収穫後、苦味が出ないその日のうちにゆず酢に搾汁し、オルター分として1年分冷蔵保管します。私の紹介で、富士酢の飯尾醸造では宮本さんのゆずを「富士ゆずぽん酢」に使っています。つまり、宮本さんたちのゆずはオルターと飯尾醸造でそのほとんどを消費しています。
 徳島県では県が音頭をとって有機認証の運動をしています。しかし、顔の見える関係で消費されるゆずに、わざわざ高い認証料を払う必要はありません。そのぶん安価なほうが消費者にとってはうれしいことです。
 オルターでは人参ジュース健康法に取り組んでいる会員が多く、ゆず酢は必須です。そのため年々ゆず酢の必要量が増えてきています。宮本さんたちは無理しないで、できるだけ苗を植えていっています。数年前から宮本房義さんの長男、之仁(ゆきひと)さんがUターンして家業に取り組んでいます。強い味方の登場です。

宮本房義さんのゆず酢
●生産者…徳島県美馬市木屋平森透在住の宮本房義、浦喜一、阿部又生、久保和行、管惣勝子、久保美都子、上坂那英(敬称略)

●ゆず苗…台木(ジャキチ)に接ぎ木しています。

●防除…無農薬栽培

●肥料…刈草と、宮本さんの自家養鶏場(種卵用)の鶏ふん堆肥を1年以上発酵させて使用

●ゆず酢製造工程…①ゆず収穫②収穫後すぐに搾汁機(山岡機械製作所ベルト式搾汁機)で搾汁③布ふきんで2~3回濾過④一斗缶に詰めて冷蔵庫で低温保管⑤出荷直前にビン詰め(非加熱)

☆人参ジュースにゆず酢を入れるのがおすすめ

 人参にはアスコルビナーゼというビタミンC分解酵素があります。西式健康法、ゲルソン療法、ハウエルの酵素療法が勧める人参ジュース健康法のように毎日人参ジュースを常食する場合は、この酵素を柑橘類のジュース(ゆず酢、ゆこう酢、みかん果汁、シークワーサージュースなど)や米酢など、酸性のもので不活性化して飲むと安心です。
 人参ジュースにはゆず酢が特によく合い、とてもおいしく飲めますのでおすすめです。

―文責 西川栄郎(オルター代表)―

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