子どもの歯を丈夫にするイカの健康珍味

2009年5月5週号

 

素焼きのさきいかは、だしに便利。
調味してある品はすべて「蔵の素」を使って
素材のおいしさを引き出しています。

●市販では珍しい無添加の珍味

 (有)ネイチャーズ・ファイネストの岡野一英代表は、大木代吉本店の料理酒「蔵の素」(カタログ2008年5月3週号ご紹介)などオルター水準の安全な調味料を使った健康珍味を開発しています。珍味ですから、おやつや酒のあてになるのはもちろんのことですが、硬いスルメ(例えば「素焼あたりめ」)は軟らかいものばかり食べさせられている最近の子どもにとって、歯を丈夫にしたり顎の発達によく、おすすめのおやつです。
 またオルターの顧問であるCC'Cookingの山本朝子先生は、スルメ、とくに素焼きのさきいかは、だしの原料としてたいへん簡単に便利に使えると勧めておられます。

●「蔵の素」との出会いが完成のきっかけ

 岡野さんは、かつてある大手の自然食品卸問屋の部長として働いておられたことがあり、当時から市販の珍味類のひどさがたいへん気になっていました。中国やベトナムなどでの安価な海外製造が多く、保存剤など食品添加物だらけで、到底子どもたちに食べさせられるものではない、と思っていました。
 そこで岡野さんは「おいしさと安全」をコンセプトに、製造履歴がわかる国産の原料にこだわり、食品添加物や安全性に疑問のある「酵母エキス」などのエキス類を一切使わない健康珍味の開発をめざし、試行錯誤を繰り返しました。そんなときに、大木代吉本店の料理酒「蔵の素」と出会ったのです。
 「蔵の素」を使った試作結果はたいへん良好で、素材のおいしさを引き出し、バランスのよい自然な味わいのおいしさに仕上がりました。その上、日持ちも持続しました。「蔵の素」の特徴である豊富な天然のアミノ酸=旨みの素の存在と、発酵食品としての優れた抗酸化力が発揮された結果です。
 思えば古来、日本酒は酒塩(さかしお)と称され、調味効果の高い隠し味として重宝されてきました。現在の一般の日本酒ではこうはいきません。岡野さんは「蔵の素」は偉大だと思いました。この「蔵の素」との出会いが、珍味としてはたいへん珍しい無添加の健康珍味を完成させたのです。
 
 岡野さんは、珍味の味付けは素材のよさを損なわないよう、できるだけシンプルにしたいと考え、ほかの調味料にも心を配っています。その原料選びでは私もアドバイスをさせていただいています。

(有)ネイチャーズ・ファイネストの健康珍味
北海道函館の(株)ミキヤで依託製造している品

●素焼あたりめ
 原料/イカ(北海道産真イカ)、食塩(再生塩)
 製造工程(一次加工)/①原料受け入れ、解凍②生処理(内臓などの除去)③洗浄④乾燥⑤冷却⑥箱詰め⑦保管 製造工程(二次加工)/①原料受け入れ、解凍②調味③焙焼(95~100℃5分)④伸展⑤引き裂き・選別⑥冷却⑦水分検査⑧袋詰め⑨保管⑩小分け包装⑪金属探知

●素焼いかあし
 原料/「素焼あたりめ」と同じ
 製造工程/①原料受け入れ、解凍②選別③ボイル調味④冷却⑤包装

●黄金さきいか
 原料/イカ(北海道産真イカ)、砂糖(種子島甘蔗分蜜糖(カタログ2000年4月1週号))、食塩(再生塩・天塩(カタログ2000年4月4週号))、清酒(大木代吉本店「蔵の素」(カタログ2008年5月3週号))
 製造工程(一次加工)/①原料受け入れ②原料いか生処理③洗浄④ボイル(75℃3分)⑤冷却⑥調味⑦安蒸(常温・一晩)⑧乾燥⑨冷却⑩冷凍 製造工程(二次加工)/①原料受け入れ、解凍②焙焼(110℃5分)③伸展④引き裂き⑤選別⑥仕上げ調味⑦安蒸(常温・一晩)⑧赤外線乾燥(40℃10分)⑨冷却⑩包装⑪金属探知

●芳醇生さきいか
 原料/「黄金さきいか」と同じ
 製造工程(一次加工)/①原料受け入れ②解凍③生処理④洗浄⑤脱皮⑥ボイル(80℃3分)⑦冷却⑧洗浄⑨一時調味⑩暗蒸⑪乾燥⑫冷却⑬箱詰め⑭保管 製造工程(二次加工)/①原料受け入れ、解凍②焙焼(90℃5分)③伸展④引き裂き・選別⑤二次調味⑥暗蒸⑦乾燥⑧冷却⑨箱詰⑩保管⑪小分け包装⑫金属探知

●旨辛さきいか
 原料/唐辛子(滋賀県産)、他の原料「黄金さきいか」と同じ
 製造工程/「黄金さきいか」と同じ

●するめそうめん
 原料/イカ(北海道産真イカ)、砂糖(種子島甘蔗分蜜糖)、食塩(天塩)、醤油(松本醤油(国産大豆・国産小麦))、水飴(三原飴店「ぎょうせん飴」(カタログ2003年8月2週号))、唐辛子(滋賀県産)、清酒(大木代吉本店「蔵の素」)
 製造工程/①原料受け入れ②生処理③水洗い・水切り④調味⑤冷蔵保存⑥乾燥(50℃8~9時間)⑦乾燥(風乾2時間)⑧箱詰め⑨冷凍⑩切断⑪金属探知

京都市の小池保商店で依託製造している品

●京風のしするめ
 原料/イカ(北海道産真イカ)、砂糖(種子島甘蔗分蜜糖)、食塩(再生塩・伯方塩業)、白たまり(日東醸造「三河白たまり」カタログ1999年5月3週号))、清酒(大木代吉本店「蔵の素」)
 製造工程/①原料受け入れ②脱皮③焙焼(150℃)④引き裂き⑤骨抜き・伸展⑥選別⑦伸展・網目ローラー⑧仕上げ選別⑨調味どぶ漬け(80℃30分)⑩自然乾燥⑪カット⑫金属探知⑬包装

●京風旨辛のしするめ、
 京風旨辛のしするめ小袋入り
 原料/唐辛子(国産)、他の原料は「京風のしするめ」と同じ
 製造工程/「京風のしするめ」と同じ

●素焼のしするめ
 原料/イカ(北海道産真イカ)
 製造工程/「京風のしするめ」と同じ。調味付けはしていません。

愛媛県伊予市の(株)オカベで依託製造している品

●小魚あわせ
 原料/イワシ(愛媛県産ほか)、アジ(京都府産ほか)、エビ(大分県産ほか)、砂糖(種子島甘蔗分蜜糖)、食塩(伯方塩業)、清酒(大木代吉本店「蔵の素」)
 製造工程/①原料受け入れ②異物選別③調味④乾燥(63℃・3時間)⑤それぞれ混合(イワシ、アジ、エビ)⑥品質検査⑦粉抜き・異物選別⑧金属探知⑨計量⑩包装⑪金属探知
愛媛県松前町の増永食品(株)で依託製造している品

●焼きうるめ
 原料/うるめイワシ(国内産)、清酒(大木代吉本店「蔵の素」)
 製造工程/①原料受け入れ②調味(噴霧)③焙焼(170℃5分・遠赤外線)④包装⑤金属探知

市販の珍味の問題点
 原料のイカに刺身で食べられるような新鮮なものを使うことは、通常ではまずありえません。安い中国や韓国などからの冷凍ものを使うのが一般的ですが、イカは酸化防止剤などの使用の一番心配な海産物の一つです。アジなどの小魚もベトナムなど海外から輸入されるものがほとんどで、キャリーオーバーの食品添加物が心配されます。
 使用する調味料はポストハーベスト農薬の心配な原料が使われていたり、食品添加物の使用が一般的なのです。味付けの主役は脳障害の心配のあるグルタミン酸ソーダが使われています。原料や製造工程の履歴が明らかでない酵母エキスなどのエキス類も使われています。
 その他、防腐剤としてソルビン酸、醸造用アルコール、合成着色料、合成香料、pH調整剤(酢酸など)、脂肪酸グリセリンエステル、乳酸なども使われています。漂白することは違反とされていますが、その漂白が発覚しているケースもあります。

―文責 西川栄郎(オルター代表)―

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