オルターオリジナル仕様の昆布製品

2009年9月2週号

 

ほんものの酢を使ったとろろこんぶ、絶品の昆布の佃煮。
粉末は昆布茶やだしに。


●どこよりもおいしいとろろこんぶ
 (株)末廣昆布の常峰昇次会長はオルターの指定する原料で、とろろこんぶをはじめ昆布の佃煮などを2002年5月から製造しています。
 とろろこんぶについては、昔のように良質なお酢で作るメーカーはなくなっており、合成酢酸を配合しているような人工的な“お酢もどき”で作っているところばかりでした。そのため、いくつかのメーカーに、富士酢のようなきちんとしたお酢での試作をお願いしてきましたが、難しいなどとの理由で断られてきました。
 末廣昆布に富士酢を使ったとろろ昆布を試作していただいたところ、予想以上にすばらしくおいしい風味のあるとろろ昆布ができ、製品化していただきました。
 末廣昆布は、以前から良心的な昆布製品作りを心がけてこられた会社で、生協などにも認められ、関西でのとろろこんぶのシェアも大きいところです。初代はおぼろ昆布の職人さんでした。現在の社長、常峰誠人さんは3代目です。これからはオルターのようにきっちりこだわった品物を製造する時代だと、オルタープロデュースの製品作りに取り組んでいただいています。
 工場全体に酵母のよい香りがしており、製造工程の随所で代々の家つきの酵母が働いていると思われます。そのため、末廣昆布独特の風味が生まれています。

●昆布茶やだしで、丸ごと食べて健康に
 末廣昆布には、オルターオリジナル仕様の昆布の佃煮「昆布豆」「角切昆布」「椎茸昆布」も製造していただいています。いずれも井村さんの大豆、やさか共同農場の乾しいたけと、オルター指定の調味料だけを使った絶品です。とくに大豆と海藻の組み合わせである「昆布豆」は身体によい日本の伝統食としておすすめです。
 昆布は漢方では薬草として扱われてきたほどの海藻で、現在でも漢方医薬系統では凍結乾燥による微粉末を顆粒状に加工したものが販売されています。手軽でおいしく昆布を丸ごと食べることのできる昆布茶はお推めの一品です。そこで昆布茶に最適な「真昆布粉末」を取り扱っています。真昆布の甘味のある旨さは昆布茶に最適です。ブラックソルト(「食べもの百科」P146参照)を加えて昆布茶をお楽しみ下さい。
 だし用には「ラウス昆布粉末」がおすすめです。濃い旨味のあるだしが出ますので天然調味料として最適です。即席調味料、隠し味として活用して下さい。

末廣昆布のオルタープロデュースとろろこんぶ
■原料
◎昆布・・・道南白口浜の天然物もしくは2年養殖もの真昆布。天然物が不作の年には養殖物を混ぜ、価格を安定させます。旨み、甘み、香りがある最高級のだし昆布です。粘り、風味がとろろこんぶに向いています。干場で干すときは吊るして干していますので、干物に使う除草剤の汚染の心配はありません。

◎酢・・・飯尾醸造の富士酢(「食べもの百科」P161参照)。酢は昆布との相性が良く、風味を良く出してくれるのと、防腐効果も兼ねます。

このとろろこんぶの原料は以上の2種だけのとてもシンプルなものです。化学調味料など一切の薬品の使用はありません。

■製造方法
①昆布を酢につけてやわらかくする。
②裁断する。
③砂とりする。
④プレス機で仮締する。
⑤プレス機で本締する。
⑥圧縮された状態で、1週間ねかす。削るときにバラバラにならないために行う行程です。こんぶの粘り成分が働きます。
⑦削りやすいように整形する。
⑧カンナで削る。

末廣昆布の昆布粉末
●真昆布粉末(昆布茶用)
原料は、道南白口浜の天然物、もしくは2年養殖物の真昆布。2年養殖物は天然物不作の年に価格の安定のために混ぜることがあります。製造方法は、(1)裁断(2)選別(3)乾燥(4)粗砕(5)粉砕(6)分粒(7)計量、包装。昆布だけを原料に、100メッシュ以下の粉末にしています。食品添加物など一切使用していません。

●ラウス昆布粉末(だし用)
原料は、北海道ラウス昆布(天然物)。製造方法は上記真昆布の工程と同じ。

●賞味期限
両昆布粉末とも賞味期限は1年。吸湿性がありますので、開封後はお早めにお召し上がり下さい。保存は密封保存です。

☆昆布茶の入れ方
 湯呑み茶碗にお湯を注ぎ、昆布粉末とブラックソルト(それぞれ小さじ1/2程度)を入れて、よく混ぜてお飲みください。ブラックソルト以外の塩の場合はひとつまみ程度にして下さい。梅干しを入れて梅昆布茶に、塩吹き昆布を入れて塩昆布茶に。

市販の昆布製品の問題点
 原料の昆布そのものに、中国産のような安いがおいしくない産地や品質規格のものが使われています。その上、佃煮にする昆布はだしをとった残りが使われることも多いのです。これら味のない昆布をごまかして利用するために、様々な食品添加物が使われています。
 とろろこんぶには本来お酢を使うものなのですが、一般市販品ではキャリーオーバーの食品添加物のある醸造酢や合成酢酸主体の薬品が使われています。そのほか、甘味料として砂糖(精製糖の害)、ソルビット(人工甘味料)、甘草、ステビア(催奇形性)、ハチミツ(遺伝子組換え、ポストハーベスト農薬のある水あめが混入)、果糖。調味料としてグルタミン酸ソーダー(アミノ酸と表示、脳障害)、蛋白加水分解物(発がん性)、酵母エキス(キャリーオーバーの添加物、原料、製造工程に問題)、その他に増粘多糖類、酸味料、糊料(プルラン)。
 昆布佃煮にはグルタミン酸ソーダーなどの化学調味料や蛋白加水分解物あるいは酵母エキスなどによる味つけが不可欠。甘味としてはステビア、ソルビトール、トレハロース、甘草、砂糖が使われています。照りを出すために還元水飴(異性化糖、遺伝子組換え、ポストハーベスト農薬)、麦芽糖(遺伝子組換え、ポストハーベスト農薬)などが使われます。醤油や醸造酢も、原料にポストハーベスト農薬や遺伝子組換えの問題があります。その他、着色料(カラメルなど)、酸味料、増粘多糖類(カラギーナンなど)、ミョウバン、グリセリンエステルなどの食品添加物が使われています。昆布豆の大豆には、ポストハーベスト農薬、遺伝子組換えなどの問題があり、味付けに鰹節エキス、魚介エキス、しいたけエキス、ポークエキスなどが使われていますが、いずれも原料や製造工程に問題があります。
 市販の昆布茶は塩、砂糖、グルタミン酸ソーダーで増量しており、昆布は1割程度しか入っていません。梅昆布味のものには、酸味料、香料、着色料も使われています。
 市販のだし用の昆布顆粒や昆布エキスなどは、製造工程で薬品の使用が避けられません。また、各種だしの素も化学調味料を主体に昆布や鰹の粉末を配合したものでおすすめできません。

―文責 西川栄郎(オルター代表)―

ページの先頭へ