スキンケア・ヘアケアに国産の椿油

2008年7月3週号

 

古式圧搾・一番搾り。

国産原料限定の椿油です。

 

●農家の搾油のお手伝いからの出発

 熊本にある(有)堀内製油は古式圧搾・一番搾りで、国産または海外の原料を使い各種の油を製造しています。このたびオルターとして、国産の安心な原料を使った圧搾一番搾りの「椿油」を取り扱います。
 (有)堀内製油の堀内義信会長は、戦時中、群馬県の中島飛行機で飛行機の設計技師でした。戦後、裸一貫で故郷の八代に引き揚げ、菜種の搾油業に道を見いだし、少しずつ機械を集めて設計し、農家の菜種を搾油することから出発して今日に至っています。
 昭和30年代には熊本県下に約200社の製油業者がありましたが、大手メーカーの大量生産、安値攻勢に押され、現在は数社を残すのみです。

●圧搾一番搾りにこだわって


 大手メーカーの攻勢の前で堀内製油さんが現在まで生き残ってこられたのは、「堀内製油の油で天ぷらを揚げるとおいしい」と、昔からの菜種油の味を忘れず支持してくれた消費者がいたからです。これからの時代は、トランス脂肪酸に無頓着な大手メーカーの油より、むしろ堀内製油の油のように、丁寧で安全でおいしい油作りの方が認められていくはずです。

●国産の原料を守りたい


 油作りにとって、国産の品質の高い安全な原料がどんどん入手しにくい時代となっています。国産の菜種の自給率はわずか0.04%です。椿油は中国産に押され、国産ものはまさに消え去ろうとしています。
 堀内さんは数年前から畑を借りて菜種の作付けを始めています。荒れたみかん山を開墾して椿を植林し、里山の復興とともに椿油の原料の自社生産も目指しています。堀内克矢社長は「すべての原料を自社農業で作るのが夢です」と語られています。
 オルターへのご紹介は、奈良よつ葉牛乳を飲む会の清水章子さんです。堀内製油はオルターのイ草の生産者、水の子会の生産者グループでもあります。

堀内製油の椿油
 昔ながらの圧搾機で、一番搾りの技術を大切に守っておられます。焙煎から圧搾まで微妙な変化に対応して製造されています。食品添加物、化学薬品などを使用していません。

●原料
 椿・・・五島列島、宮崎、鹿児島など九州産

●製造工程
 ①原料精選
 ②煎り釜で軽く焙煎
 ③圧搾機で油と油粕に分類
 ④原油を静置
 ⑤上澄みを和紙で濾過

椿油の使い方
●ヘアケア、スキンケア、オイルマッサージ
 椿油は天然植物油の中で最も皮脂成分に近い油です。皮膚に刺激がなく、なじみやすいため、皮脂に代わる油分補給に適した油といえます。また酸化しにくく、不乾性油で蒸発しにくく保湿力が高いので、髪や肌を長時間しっとりと艶やかに保つ効果に優れています。お肌を整える効果、エモリエント(皮膚をやわらかにする)効果があり、また紫外線UV-Bを通しませんので、頭髪や全身に使えます。

「ヘアケア」
 髪のお手入れには、シャンプー後、すすぎ湯に椿油を1~2滴落とし、よくかき混ぜてから髪にゆきわたらせて下さい。その後に洗い流す必要はありません。
 髪にしっとりとした潤いと弾力性を与え、紫外線をカットし、切れ毛・白髪・フケ・かゆみを防ぎます。

「スキンケア」
 肌のお手入れには、手のひらに直接椿油をとり、薄くのばします。乾燥肌、荒れ性肌、日焼け肌、ひげそり後などのお手入れに。
 東邦大学付属大橋病院の岸田勝博士(小児科)らの研究で、アトピー性皮膚炎の患者のかゆみ・湿疹の改善効果があるとの報告があります。

「オイルマッサージ」
 お仕事、スポーツなどで疲れた筋肉をゆっくりと揉みほぐしてください。肩こり、腰痛にも患部に椿油でオイル湿布すると楽になります。

●最高の天ぷら油
 椿油は酸化しにくいオレイン酸を86~93%含んでいます(オリーブ油は65~84%)。最高の贅沢になりますが、天ぷら油として最適です。腸の健康の立場からみて、天ぷらはおすすめしていませんが、どうしても天ぷらが食べたいときは椿油をおすすめします。非常に軽く揚がります。胃もたれ、胃腸の弱い方も胸焼けせずにおいしく食べられます。
 また、月に4~5回、椿油で卵焼きや野菜炒めなどをすると、子どもの虫下しになると昔からいわれています。

●その他
 機械油、刃物のサビ止めにも適しています。

―文責 西川栄郎(オルター代表)―

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