西式健康法おすすめの柿の葉茶

2008年8月1週号

 

ビタミンC摂取源としておすすめ。
もちろん無農薬です。


●高ビタミンC含有、新しい柿の葉茶


 西式健康法では、ビタミンの中でも最も重要なビタミンCが豊富に含まれている、として柿の葉茶を健康茶として勧めています。関東のゼノア化粧料を愛用する美容師の会「柿の葉会」では、お肌のお手入れ用として柿の葉茶を活用しています。
 島根県桜江町にある「しまね有機ファーム」は、従来タイプのものよりはるかにビタミンCの豊富な柿の葉茶の開発に成功されています。おいしさを徹底的に追求したら、たまたまたいへん高いビタミンC含有量になったとのことです。この柿の葉茶の開発には、元・島根県農業技術センター加工研究部主任研究員で、現・広島文教女子大学の鶴永陽子准教授が協力されました。鶴永准教授は柿の葉茶の研究などで農学博士号を取得されています。

●放置された柿園の復活のために


 島根県は西条柿の特産地でした。しかし、市場に出荷する実を穫るためには農薬や除草剤を使用しなければならないのですが、過疎と高齢化によって労働力が低下し、放置された柿園が増えています。
 しまね有機ファーム(株)の古野俊彦社長とその息子さんの古野利路さんは、「実を穫らない柿の葉茶づくりになら、なんとかできないか」と柿の葉茶づくりに乗り出したのです。柿の葉の収穫期は7月中旬~8月前半までに終えることができるので、高齢者にとって管理もそう難しくはなく、夏から秋までの他の農作物の収穫期の忙しさにも重ならず、土地の有効活用などができると考えました。過疎になっても「あきらめない農業」の試みとして、柿の葉茶の取り組みが始まったのです。

●桑製品で村おこし


 しまね有機ファーム(株)は、桑の葉、桑の実を生産加工している「桜江町桑茶生産組合」や「有機の美郷(有)」を母体としています。いずれも古野俊彦社長が設立したものです。
 古野さんは福岡県の出身です。若い頃、自然の多いところで暮らしたいと田舎を求め、桜江町の農業体験の第一陣として桜江町を訪れ、そのまま定住されました。当時、桜江町では養蚕が下火になり、桑畑の桑が引き抜かれて更地にされていました。その桑の有効活用を考えて、桑茶生産組合を立ち上げたのでした。この桑茶は糖尿病の特効薬として知られています。オルターでは、カタログ表紙で別の機会にご紹介したいと考えています。
 このように、桜江町の柿の葉茶の開発物語の背景には、桑の実や桑茶の開発とまったく同じく、土建業も下火になった過疎の村の生き残りをかけた農業再生の想いがあります。

 オルターへのご紹介は、西式健康法の普及団体・西会本部本部長の西万二郎さんです。西万二郎さんは西式健康法の創設者、西勝造先生のお孫さんです。

しまね有機ファームの柿の葉茶
無農薬・無添加です。鮮度を重視し、ビタミンCが壊れないよう加工しています。桑葉の技術、高温飽和蒸気がおいしさの秘密。

●原料…柿の葉

 農薬や化学肥料を一切使わずに栽培。10年以上放置されていた柿園を、無農薬で栽培。協力農家の柿園や借り入れた柿園を使っています。肥料は地元・近場の発酵鶏ふん、牛ふん堆肥や菜種粕でボカシ肥料を作り、柿の木の近くに穴を掘って置いています(たこつぼ方式)。ミネラルは苦土石灰使用。除草は手刈り除草、マルチ用に麦を播いています。しまね有機ファームが農家の農作業のお手伝いもしています。

●製造工程

 その日の朝に収穫した柿の葉を冷蔵車(-5℃)でその日のうちに工場に運び込みます。遠いところの柿の葉は鮮度が落ちないよう枝つきで運びます。
 ①洗浄。枝つきのものは葉を脱落してから洗浄する②カッターで粗く裁断③カッターで細かく裁断④高温加圧の蒸気で蒸して、酵素を止める⑤ベルト式熱風乾燥機で乾燥⑥バッチ式熱風乾燥、水分5%以下にする⑦空気で風力選別⑧金属探知(一次)⑨7メッシュの大きさにカット⑩金属探知(二次)⑪ティーバッグへ分包

●ティーバッグの材質

 ティーバッグにはプラスチック成分によるキャリーオーバーの添加物の問題があります。その現状の中で、比較的に安全性に留意された「未晒ヒートパックUBA」(日本製紙パピリア株式会社高知工場)のものを使用します。
 
「未晒ヒートパックUBA」の成分…木材パルプ(セルロース)、麻パルプ(セルロース)、ポリプロピレン繊維(ポリプロピレン、エチレンプロピレン共重合体)
※オルター取扱いを契機としてティーバッグを上記の材質のものへ変更していただきました。

●しまね有機ファームの柿の葉茶のビタミンC含有量

 1400mg/100g(2006年9月15日測定)、1900mg/100g(2007年6月8日測定)(測定:東京食品技術研究所)。
 西会が従来扱っていた「生化学研究所」の柿の葉茶は45~75mg/100gです。 オルターが扱ってきたオートバックスの「柿の葉C」は1940mg/100g(2007年7月29日測定)、2270mg/100g(2008年6月23日測定)(測定:日本食品分析センター)です。ちなみにレモンのビタミンCは約50mg/100gですので、しまね有機ファームの柿の葉茶の1400mg/100g、1900mg/100gがいかにすごい品質のものかお分かりいただけるはずです。
 柿の葉茶に含まれる天然のビタミンCは、他の成分の分解と共に時間をかけて腸からゆっくりと吸収されますので、作用が長時間持続し、優れています。サプリメントなどに含まれる合成ビタミンCは純粋体であるため、吸収が早すぎて、その多くは利用されないまま尿として排泄されてしまい、「一定の血中濃度を長時間保つ」というビタミンCにとって一番大切なことが苦手です。
 また、合成ビタミンC粉末は強酸性(pH2~3程度)、レモン果汁も強酸性(pH2程度)であるのに対し、柿の葉茶は弱酸性(pH5程度)と胃に優しいものです。

●緑茶との比較

 柿の葉茶はビタミンC以外にもカテキン属を含む多種のフラボノイド類を含み、相当な抗酸化力が期待されます。しかし抗酸化力だけを評価するなら、緑茶の方が柿の葉茶より優れています。抗酸化力を表現する国際単位(Oxygen Radical Absorbance Capacity =ORAC.Unit/g)でみますと、一般的な緑茶を100とした場合、柿の葉茶は50~60程度、一般の野菜・果物は0.1~0.05といったレベルになります。
 しかし、緑茶は標準的な浸出法で100ccあたり20mgのカフェインを含んでいます。ちなみに同じ浸出法で緑茶のビタミンCは4mgです。従って、カフェインを含まずお子様に安全なビタミンC供給源としては、柿の葉茶が優れていることになります。

●柿の葉茶の飲み方
 そのまま健康茶として。ティーバッグ1袋あたり(2.5g)におよそレモン2個分の天然柿葉由来のビタミンCが含まれます。500ccに1ティーバッグが目安です。人数、容器に応じてティーバッグ数を調整してください。

「マグカップで濃い目に」…大きめのマグカップの中にティーバッグを1袋入れて、熱湯を注いで5~10分間お待ちください。ちょっと濃い目で贅沢な柿の葉茶です。

「水出し柿の葉茶」…500mlの水(活性水がおすすめ)の中にティーバッグを1袋入れて、よく振ってから2~12時間ほど冷蔵庫で冷してお召し上がりください。おいしくてビタミンCが豊富な水出し柿の葉茶のできあがりです。

その他…柿の葉茶:りんごジュース(1:1)にして子どもが喜ぶドリンクに/柿の葉茶でお茶漬け/傷んだ肌のケアとしてもお使いください。

●ご注意
 ビタミンCは金属製の急須の僅かな金属イオンと敏感に反応し、破壊される可能性がありますので、陶器やガラス製の急須を使用される方が無難です。ビタミンCはアルカリ性の環境下では容易に破壊されますので、コーヒーなどのアルカリ性飲料とは前後30分以上空けて飲んでください。

―文責 西川栄郎(オルター代表)―

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