無農薬キウイを一年中出荷

2008年10月2週号

 

繊維の少ないシャリシャリ生姜、おいしい落花生も、無農薬でお届けします。
 
 神奈川県足柄上郡中井町の大原好文さんは、有機農業で野菜などを作っています。周辺の地質は関東ローム層で、落花生の産地だけあって、大原さんもおいしい落花生が収穫できています。無農薬の国産落花生はたいへん貴重です。知り合いの加工場で煎ってもらった落花生も出荷しています。
 生姜も絶品で、繊維分が少なくシャリシャリとおろしにでき、紅生姜にも向いています。こういう生姜は腕がよくなければなかなか作れません。特にキウイフルーツは自信作で、貯蔵技術を工夫してほぼ一年中出荷されています。
 大原好文さんの家は代々の農家で、小学生の頃にはすでに「将来は百姓になる」と思っておられたとのこと。学校を出てすぐに就農しましたが、牛2頭を肥育するという有畜農業のかたわら取り組んでいたみかん栽培の農薬で、体調を崩されました。それをきっかけに20年前に「神奈川土作り研究会」と出会い、有機農業を目指しました。
 近所から手伝いにきてくれていたパートの方が、私とも牛乳運動の仲間である、無農薬に関心の強い「県民生協やまゆり」組合員だったことから、出荷先も見つかっていきました。有機農業に自信ができたのは、ここ10年ほど前のことです。
 私とは、オルターの牛肉や豚肉の生産者・興農ファームの農場でご一緒したことが出会ったきっかけです。

大原好文さんの有機農業
●作付作物
 キウイフルーツ(ヘイワード、ゴールデンイエロー)、生姜、落花生、玉葱、じゃがいも、人参、大根、長葱、ブロッコリーなど。

●防除
 化学農薬は一切使いません。センチュウ対薬にコブトリソウやマリーゴールドの植物を使っています。
 ■木酢液・・・近くの知人(高橋さん)の広葉樹の炭焼きから入手しています。
 ■ニームオイル・・・センダンの木のオイル。虫の忌避剤として使用。
 ■トウガラシ・にんにく木酢液抽出物・・・ヨトウ虫対策に使用。

●肥料
 化学肥料は使用しません。
 ■天恵緑汁・・・ヨモギ・キウイ(芽、摘花実)、タケノコ、クズなど活性の高い時期の植物を黒砂糖と発酵させたエキスを葉面撒布します。
 ■漢方抽出液・・・ユンケルや養命酒の漢方しぼりカスにビール、黒砂糖、焼酎などを入れた発酵物。
 ■魚エキス・・・魚屋から入手する青身魚の頭、腹、骨などのアラを木酢液に漬けたもの。
 ■VAカルシウム・・・鶏卵の殻を高温焼成した卵殻焼成カルシウム微粉末を木酢液に漬け込んだもの。
 ■ボカシコンブ・・・昆布残渣、珪藻土を発酵させたもの。
 ■ケルプ・・・海藻粉末を木酢液に漬け込んだもの。
 ■ボカシ大王・・・うずらの糞、鰹節煮カス、米ぬか、カニガラ、植物粕類、発酵微生物。
 ■貝化石コロイド珪酸肥料
 ■グアノ(こうもり糞)
 ■乳酸卵殻・・・鶏卵殻をEM発酵させたもの。
 ■中国天然苦土・・・マグネシウム分。
 ■ソルゴー(とうもろこしの一種)をすき込んで土作り。
 ■豚糞堆肥・・・海老名畜産の完熟堆肥。
 ■近所の牛糞堆肥
 ■土壌改良剤・・・タフライト(安山岩粉末)

●除草対策
 バーナー焼却と手除草。(畦畔後背地と道路などには除草剤を使われているので、危険だからやめるように注意しました。)

●落花生の加工
 (株)山口落花生店の山口喜八さん(秦野市)。堀り上げて天日干しした落花生を倉庫に保管し、加工はその都度です。そのため出荷には注文後1週間の余裕がいります。

●キウイの年中出荷
 晩秋に収穫したキウイを、変色・軟化しないように冷蔵庫(2℃)で保管。出荷直前にりんご(エチレンガス発生)を箱の中に入れて追熟させ、軟らかく食べ頃にして出荷します。

―文責 西川栄郎(オルター代表)―

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