国産で最も安全な顆粒だし登場

まったく新しい発想、工夫で昆布、鰹、椎茸100%まるごと生かした粉末に料理酒を組み合わせた顆粒だしです。


●安全で便利な即席だしが欲しい
 市販の即席だしには化学調味料を主体としてさまざまな食品添加物が使われています。また、自然食業界の即席だしの場合でも、エキス類などを使い一見わからないようにはしていますが、粗悪な原料やキャリーオーバーの添加物が隠れています。
 本来なら料理する人が、昆布、椎茸、鰹節などから昔ながらにちゃんとだしを取ればいいのでしょうが、昨今は忙しいとかだしの取り方がわからないとかで、だしを取る人・取れる人が少なくなってしまったのが実情です。即席だしが必要な時代になったと考えざるを得ず、オルターでもかねてから「安全で便利な即席だし」の開発が懸案テーマの一つとなっていました。

●原木椎茸生産者との連携で実現
 ネイチャーズファイネストの岡野一英さんは、オルターでも取り扱っている大木代吉本店の料理酒「蔵の素」の熱心な推奨者で、これを使った即席だしを作れないか、とかねてから考えておられました。昆布、椎茸、鰹節などの100%丸ごとそのままの安全な粉末に、料理酒を塗布した粉末だしの構想です。
 昆布粉末、鰹節粉末の入手は既存の技術の延長で簡単に実現しました。しかし、椎茸はそれ自体が担子菌類のため、細菌数をうるさく言う食品工業界としては、加工に協力してくださるメーカーがなかなかありませんでした。
 ところが2006年6月の「通天閣で知るほんまもん」フェスティバルで、国産原木椎茸生産者の会の仲間が粉末椎茸を展示しておられたので、一気にこの問題が解決しました。椎茸生産者が粉末化すれば、粉末加工の細菌数の問題がクリアされるからです。国産原木椎茸生産者の会会長であり、オルターの原木椎茸の生産者である井上順一さんの試作・協力で椎茸粉末が整い、今回の安全な即席顆粒だしの開発が実現しました。

●三つの素材の旨みを、そのまま顆粒に
 「だしの素 自然三昧」には昆布、椎茸、鰹節の旨味が丸ごと入っています。最高の料理酒とのハーモニーで、即席ではありますが高級感ある深い味わいの、手軽で簡便な即席顆粒だしとなっています。ひと手間省きたい主婦の強い味方となるのはもちろん、おいしい料理の優れた脇役にもなるはずです。単なる即席だしを超えた、新発想の優れただしの登場です。
 開発にあたっては、椎茸粉末の使い方には、オルターおすすめのCC'Cooking山本朝子先生のアドバイスも頂戴しました。

煮出しタイプ(風味低下、キャリーオーバーの添加物)ではなく、昆布、椎茸、鰹節を丸ごと100%活かす顆粒技術の初めての試みです。大木代吉本店の料理酒「蔵の素」の活用があっての製品化です。食品添加物、エキス類(キャリーオーバーがある)を一切使用しない原材料のみで仕上げた、国内初めての顆粒だしです。エキスを使わず、丸のままの原料を使うことと、料理酒の使用で、結合剤を使わないで顆粒化に成功しました。顆粒の加工製造は東京食養研究所の長山張雄会長が担当しています。長山さんは製薬会社の元社長で、東京食養研究所はサプリメントを製造している、製剤技術の優れた会社です。

●原料●椎茸粉末…井上順一さん(カタログ2000年6月4週参照)の原木椎茸を自家製粉。/昆布粉末…北海道道南産真昆布80%、日高産三石昆布20%。粉末加工は松島屋。/カツオパウダー…原産国日本。粉末加工はキャセイ食品(株)。/料理酒…大木大吉本店の料理酒「蔵の素」(カタログ2002年7月3週参照)。

●製造工程●加工工場…東京食養研究所(長山張雄会長、長山心穂子社長、甲斐智章工場長)。/小分け・袋詰め…知的障害者通所授産施設・社会福祉法人菊鉾会テンダーハウス(高崎守雄施設長)。①昆布粉末、椎茸粉末、鰹節粉末、料理酒の混合②顆粒機で顆粒化③乾燥機(50℃)で一昼夜乾燥④ふるい整理粒⑤小分け

「だしの素 自然三昧」CC'Cooking的使用法 ~山本朝子先生のアドバイス~
 おいしくするこつはブラックソルトを併用する事です。味が引き立って少量でおいしくなります。他の塩を使用したい時の目安は、ブラックソルトの1/2量がいいでしょう。以下はあくまで基本の分量なので、各家庭の味に調整してお使いください。

使い方のこつ
●溶けにくいので少量のお湯であらかじめ溶かしてご利用ください。
●すまし汁、かけうどん&蕎麦等、だしの透明感を出す調理には不向きです。
●粉鰹と併用すると便利。
①みそ汁、また洋風コンソメの代替用…水150ccに対し小さじ1の自然三昧+ブラックソルト一つまみ
②昆布だし醤油…水150ccに対し小さじ1の自然三昧+ブラックソルト1つまみ+濃口醤油20cc+味醂20cc
③煮物用だし…水150ccに対し小さじ2/3の自然三昧+ブラックソルト1つまみ+薄口醤油15cc+味醂15cc

参照レシピ
●椎茸風味プラスの昆布茶… 熱湯150cc、自然三昧小さじ2/3、ブラックソルト少々
●即席豆腐みそ汁(1人前)… 熱湯150cc、自然三昧小さじ1、ブラックソルト1つまみ、味噌大さじ1、具材適宜(例:豆腐1/8丁、葱のみじん切り少々)
●筍の木の芽煮(4人前)…筍500g、湯3カップ、自然三昧大さじ1と1/3、ブラックソルト小さじ1/2、薄口醤油大さじ4、味醂大さじ4、粉鰹大さじ3
●ざるそば、素麺のつけだし… 熱湯15cc、自然三昧小さじ1、ブラックソルト1つまみ、濃口醤油30cc、味醂20cc、野茶坊(黒砂糖)小さじ1

●市販のだしの問題点●
 市販の即席だしの殆どは、グルタミン酸ソーダ或いはイノシン酸ソーダ等の化学調味料が主体です。化学調味料が中華料理症候群(れっきとした学名)の原因となり、脳を冒す事が知られた為、メーカーは「アミノ酸系調味料」等と誤魔化して売り続けています。また、第三世界の人々の毛髪などの蛋白質を塩酸で加水分解して作った蛋白質加水分解物を化学調味料の代わりに使った品もあります。これには発がん性がある事が問題となっています。
 自然食業界では、酵母エキス、昆布エキス、鶏エキス、牛エキス等のエキス類を使ってあたかも安全であるかのようなイメージのだしが出回っています。しかし、これらエキス類も原料が粗悪であったり、キャリーオーバーで食品添加物が使われていて、必ずしも安心できません。かくして、これまで「即席だし」と名が付くものには、ろくなものがありませんでした。
 また、昆布、椎茸、鰹節から真面目にだしを取っているだし類でも、個々の原料のチェックはどこまでできているか。それらを煮出したものを顆粒化・同型化する場合には、デキストリンなどの食品添加物の使用が避けられません。煮出し抽出には風味が低下するという問題もあります。

ー文責 西川栄郎(オルター代表)ー

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