牧場のプリン、おいしいよ。

新鮮な純生クリームと有精卵のハーモニー。
おいしさが特徴です。


 島根県奥出雲の木次(きすき)乳業は1978年、日本で初めて本格的に「パスチャライズ牛乳」を実現した乳業会社です。1982年には良質の原料乳を活かして、当時まだ珍しかった本格的なナチュラルチーズ作りも始めました。オルターへも2006年の晩夏から「イズモ・ラ・ルージュ」「カマンベール・イズモ」などのナチュラルチーズを、スポットでいただいています(カタログ2006年8月3週号参照)。
 今回ご紹介する「牧場のプリン」は、ナチュラルチーズの話を聞きに木次乳業を訪問した際、「チーズと同じ原料乳と、平地飼い有精卵を使ってプリンも作っています」と試食をすすめられ、そのクリーミーなおいしさに感動した品です。
 木次乳業では、約20年前から平地飼い有精卵も取り扱っており、社員の一人がそのたまごを使って自宅で蒸しプリンを作って同僚に振る舞ったところ、素朴で家庭的な風味がたいへん好評で、これが木次乳業としてプリン作りに取り組むきっかけとなったそうです。こだわり牛乳とこだわりたまごのハーモニーで完成した「牧場のプリン」は、素朴で誰からも愛されるプリンです。
 10月から翌年5月までの冬期限定品で、地元では"牧プリ"の愛称で知られ、冬を待ちかねて遠方から買いにくるファンも多いそうです。オルターへも5月まで出していただける予定です。

【木次乳業の「牧場のプリン」】
●原料
◎牛乳、生クリーム
生産者…願永牧場・願永伸(成牛35頭、育成牛12頭)、高尾牧場・高尾晴美(成牛25頭、育成牛10頭)、花籠牧場・花籠広幸(成牛32頭、育成牛15頭)
乳牛の品種…ホルスタイン種
主な餌…濃厚飼料を多給せず(一般の1/3程度)、その代わりに木次乳業オリジナルの繊維質豊富な木次ファイバーMIX(ポストハーベストフリー(PHF)・非遺伝子組換え(NON-GMO)・トウモロコシなど一部は国産、ビートパルプなど)を与える。粗飼料中心の給与体系で、できるだけ自給を心掛けている。粗飼料は購入の草(フェスキュー、チモシー、ルーサン、オーツヘイ、フェイスクなど)。補填としてカヤ(ススキなど)、田畑の畦草、稲わらなどを主体に、購入飼料でまかなう。栄養補給のための添加物(炭酸カルシウム、岩塩、ミネラル、アミノ酸、ビタミンなど)の使用あり。子牛の代用乳に血漿タンパクは使用しない。
飼い方…舎飼い。自由に出入りできる運動場を併設。育成牛は町営牧場で放牧。

◎たまご
生産者-1:田中養鶏場・田中利男さん
開放鶏舎。♀12~14羽に対して♂1羽を入れて採卵する有精卵です。鶏の種類はロードホン種(ボリスブラウン)。
初生雛用(1~20日齢)の飼料は完全配合飼料。中雛用(21~50日齢)の飼料はトウモロコシ(米国)、魚粉(北海道)、大豆粕(米国)、ルーサン(米国)、カキガラ(国産)バイムフード(自家製。米糠・バイム菌・発酵飼料)、ビタミン剤、米糠(島根産)、食塩。大雛用(51~150日齢)の飼料は中雛用飼料の配合比を変えて使用。籾殻(島根産)が加わります。成鶏用の飼料は中雛用飼料(配合比は変わる)にグルテンミール(米国)、発酵カルシウムが加わります。以上のほか、ヨーグルトや青草、納豆菌を適宜給与。
ワクチン(ガンボロ病、鶏痘、ニューカッスル、伝染性気管支炎、鶏脳脊髄、IC:コリーザー、MG:マイコプラスマ)接種。

生産者-2:宇田川養鶏場・宇田川光好さん
平屋建・運動場付き鶏舎。♀15羽に対して♂1羽を入れて採卵する有精卵です。鶏の種類はロードホン種(ボリスブラウン)。
初生雛用(1~20日齢)の飼料は完全配合飼料。中雛用(21~50日齢)及び大雛用(51~150日齢)の飼料はトウモロコシ、米糠、魚粉、ルーサンミール、カキガラ、籾殻、塩、ビタミン剤、大豆粕。成鶏用(150日齢以降)の飼料はトウモロコシ、魚粉、米糠、ルーサンミール、グルテンミール、カキガラ、食塩、ニンニク、ビタミン剤、青草(冬期はなし)、大豆粕。ワクチンは田中養鶏場と同じ。

◎ビートグラニュー糖
北海道糖業。てんさい100%(国産NON-GMO)

●製造方法
①牛乳、たまご、グラニュー糖を混合溶解②濾過③充填④加熱⑤冷却⑥生クリーム(加糖)を充填⑦冷却⑧包装⑨品質検査

●市販のプリンの問題点
 「プリンはたまごで作るお菓子」という常識は、市販品には当てはまりません。プリンも現代のガラクタ商品のおぞましい仲間の一つです。例えば、ある大手のプリンでは原材料の表示は「乳製品、カラメルシロップ、砂糖、植物油、牛乳、ゲル化剤、コーンスターチ、香料、卵粉、乳化剤、酸味料、食塩、カロチン色素、V.C」となっています。
 仮にたまごを使っていたとしても、その鶏のエサや飼い方、即ちポストハーベスト農薬、飼料添加物、動物医薬品など問題だらけなのですが、その酷い鶏卵さえ使わずに、卵粉なるものを僅かに使っているというのは呆れるばかりです。たまごを粉末乾燥したものには、元の鶏卵の問題の他に、当然キャリーオーバーで酸化防止剤などの薬品の使用が疑われます。
乳製品には真先にチェルノブイリの放射能汚染が心配されます。カラメルには発ガン性があります。植物油にはn-ヘキサン抽出によるトランス脂肪酸の問題、がん、心臓病、精神病の問題があります。牛乳はエサ、飼い方など薬漬け畜産の問題があります。ゲル化剤はゼラチンの場合、原料が豚由来である事が多いので、やはり薬漬け畜産の問題、ペクチンの場合は製造工程やキャリーオーバーが心配な食品添加物です。コーンスターチは遺伝子組換え、ポストハーベスト農薬が問題。香料も安全ではありません。乳化剤は合成界面活性剤、酸味料は恐らくクエン酸、原料・製造方法が不明。ビタミンCは合成ビタミンで、天然のビタミンとは分子構造が異なり、その安全性に疑いがあり、原料もとうもろこしや小麦胚芽だったりしてポストハーベスト農薬や遺伝子組換えの問題があり、ナトリウム塩となっているので高血圧の心配もあるのです。
このようなプリンの原料には残念ながら何一つ人が食べるにふさわしい材料は使われていないのです。世の中にはこんな酷くて悲しいお菓子を食べさせられている子どもたちがいるのです。
 大量生産のプリンは原料にゲル化剤などを加え、密封した容器の中で熱滅菌処理をしてプリンもどきを作ります。この時の原料の主役は、たまごでも牛乳でもありません。まさに化学薬品のオンパレードなのです。市販のプリンの材料を列記しますと、卵、液卵、卵黄、卵粉、牛乳、脂肪粉乳、加糖練乳、乳蛋白、クリーム、その他乳製品、ゼラチン(以上、エサのポストハーベスト農薬、飼料添加物、および動物医薬品などの問題あり)水アメ(遺伝子組換え)、コーンスターチ(遺伝子組換え)、デンプン(遺伝子組換え)、寒天ペクチン(ゲル化剤)、カゼインNa(ゲル化剤)、キサンタンガム(増粘多糖類、安定剤)、糊料(増粘多糖類)、砂糖、果糖、キシロース、デキストリン(遺伝子組換え)、食塩、植物油(トランス脂肪酸、ポストハーベスト農薬)、ヤシ油(トランス脂肪酸)、ひまわり油(トランス脂肪酸)、ビタミンC(酸化防止剤)、レモン果汁(農薬)、クエン酸、酸味料、グリシン(蛋白加水分解物、アミノ酸、発ガン性心配)、乳化剤、カロチン色素、クチナシ色素、カルミン酸色素、カラメル(発ガン性)、香料、洋酒。
 その他にも、コーヒー、ココアパウダー、バナナ、モモ、マンゴピューレ、ナタデココ、抹茶、あん(いずれも農薬の残留など)まで入っているプリンがあります。

―文責 西川栄郎(オルター代表)―

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