今週からカタログをリニューアルしました

2007年10月1週号

 

自動カタログ組版ソフト導入に伴って、アレルゲン表示・原材料表示を始めました。

●アレルゲン表示の導入


 オルター取扱品に対して、これまでにも会員からアレルゲン表示を求める声がありました。それに対し、オルター水準(農薬など化学物質を極力排除したもの)の食べものでは通常アレルギーを心配する必要がないという立場と、表示を始めるとなるとカタログ制作の自動化をさらに進める必要があることから、その着手が遅れていました。
 しかし、よく理解できていない消費者は、生協など原料段階の農薬などが追放されていない品物やキャリーオーバーの添加物を含む品物を取り扱っているのに、カタログでアレルゲンや原材料を表示しているだけで、あたかもまともな品物であるような印象を受けがちです。反対に、カタログに表示をしていないオルターの品物が劣っているかのような誤解を与えることも危惧されます。そこでオルターとしてもカタログ組版を自動化し、アレルゲン表示や原材料表示を実現することを決定し、約2年かけて準備をしてきました。
 自動組版の導入は、懸案だったカタログ表記ミスの削減や制作コスト削減にもつながります。原材料名の表示、コメント欄の充実にも役立つものと考えます。

●アトピー、アレルギーとは


そばアレルギー、さばアレルギーのような食物アレルギーは、食べものの成分そのものがアレルゲンになります。しかし、アトピーや化学物質過敏症のようなアレルギーは、本来単独ではアレルゲンとならない非蛋白質の農薬や食品添加物などの化学物質が、牛乳、大豆、小麦の蛋白質と共同して、例えばハプテン+キャリア蛋白質のようにアレルゲンになっていると考えられます。
 つまり、ポストハーベスト農薬など化学薬品で汚染されているジャンクフードを食べていることによるアレルギーだといえます。したがって、オルター水準の食べものでは通常はアトピーやアレルギーを心配する必要がないということです。 しかし、いったん「牛乳+化学物質」「大豆+化学物質」「小麦+化学物質」でアレルギー反応が出てしまい、より重症化した場合、汚染のない「牛乳」「大豆」「小麦」などでも当分の間アレルギーが起こり続けることがあります。その場合はオルター水準といえども、しばらく摂食を遠ざけてアレルギーから脱却する方法を選ばなければならないのも事実です。今回のアレルゲン表示はこのような、より重症化したアトピーの方に役立つはずです。
 ちなみにアレルギーは腸の防御の不調を示す症状であり、その対策として腸の健康を取り戻すことが大切です。

●アレルゲン表示は「5大アレルゲン+大豆」です(下記参照)


 厚生労働省では食品の中でアレルゲン物質を含む「特定原材料」を指定しており、食品にこれらが含まれる場合には、品物に表示しなくてはいけないことになっています。
 「特定原材料」の中でも小麦、そば、たまご、乳、落花生の5つは表示が義務づけられており、他にあわび、いか、いくら、えび、オレンジ、かに、キウイフルーツ、バナナ、牛肉、くるみ、さけ、さば、大豆、鶏肉、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチンに関しては表示することが推奨されています。
 今回オルターでは品物の原材料はもとより、キャリーオーバーや加工助剤に小麦、そば、たまご、乳、落花生に大豆を加えた6つが含まれる場合は、指標としてご利用いただけるように原材料表示と別に表示します。
 表示を行なう5大アレルゲン+大豆については、原料・加工助剤・キャリーオーバーについても表示しています。ただし、ライン上での混入のように可能性は否定できなくても現実上表示する意味がないと判断するものについては、表示は行ないません。
 また、その他の「特定原材料」に関しては、スペースの関係上特別の表示はしていませんが、多くの場合原材料欄でご確認いただけると思います。詳しくお知りになりたい場合は、オルターまでお問い合わせください。
 食べものは、アレルゲンが含まれていなければ良質というわけではありません。巧妙なメーカーは、粗悪な原料を駆使して、いくらでも表示を免れることをしています。オルターが毎週カタログ表紙で解説している情報を参考にしていただいて、「原料」や「製造方法」の情報の開示こそが必要であることをよく理解していただきたいと思います。

五大アレルゲン たまご、小麦、そば、牛乳、落花生 + 大豆

●原材料表示は今後も、進化させます


青果や鮮魚、精肉を除く品物に使用されている原材料名を表示しています。ただし、現状ではいくつかの課題が残っています。
 例えば原材料の産地、生産者、栽培法まで踏み込んで表示しているもの(北海道産大豆、井村さんの大豆、無農薬大豆など)とそうではないもの(単に大豆とのみ表示)、種類まで表示しているもの(甘蔗分蜜糖、天日海水塩など)とそうでないもの(単に砂糖、塩とのみ表示)が混ざっています。これに関してはあくまで生産者からの情報に基づいているためで、踏み込んだ表示をしていないものが必ずしも劣っているということではありません。
 用語の統一も遅れています(例:砂糖、ビート糖、ビートグラニュー糖、甜菜糖…)。また今回原材料表示で、原材料の産地の表示(例:国産大豆→大豆)、原材料の栽培法の表示(例:有機大豆→大豆)なども見送らせていただいています。
 また、原材料は一時展開までのものと二次展開までしているものが含まれています(例えば原材料に醤油を使用している場合、単に醤油と表記している場合と、大豆、小麦、塩と表記している場合があります)。さらに、表示されている原材料は必ずしも比率の多い順番に並んでいるわけではありません。
 このようにオルターでは、今回はまだ完全なものだとは考えていません。今後生産者に対してより詳しい情報をよりタイムリーに提供していただく体制を整え、生産者間での言葉の不統一もなくしていくなどし、会員の皆様にお知らせしていく体制を整えたいと考えて準備を進めています。
 なお、カタログ表紙で解説した品物については、原材料と製造方法の詳しい情報をオルターホームページで見ることができます。キーワードでの検索も簡単です。参考にしてください。

●オルターにおける品物取り扱いの大前提(品質基準)


 原材料段階から「農薬」「ポストハーベスト農薬」「遺伝子組み換え」「チェルノブイリ放射能汚染」「トランス脂肪酸」「食品添加物」などを徹底排除しています。国の表示基準のように「遺伝子組み換え5%未満除外」「ポジティブリスト基準以内」などの妥協は認めません。抜け道を表示のために利用するような、売らんがための表示を排します。自ら一人の消費者として排除してほしいものを排除するために、活動を続けています。
 原料の「国産」「無農薬」を原則としています。生産者の皆様には、人事を尽くして可能な限り国内最高水準の原料の使用を求めています。
 畜産に関しても、飼料段階から「国産」「無農薬」、飼い方については「健康」を大切にしていただいています。
 製造段階においては「レトルト食品」「品質を犠牲にした大量生産」「有害な機械の使用」「プラスチックやアルミ製品」「合成洗剤の使用」を拒否し、「伝統的な生産技術」「木樽やステンレス製品のような安全な道具」を推奨しています。そのための裏付けは、「生産現場との顔の見える関係」です。

 そのほか、「伝統的な食文化を守る」こと、「石けん生活」「電磁波拒否」など環境を守るライフスタイルの確立をめざすことにも取り組んでいます。

―文責 西川栄郎(オルター代表)―

ページの先頭へ