高性能浄水器

2005年7月3週号

浄水器の購入・買い換えをお考えなら浄水能力からも経済性からもゼンケンの高性能浄水器を推薦します

 私は1984年に東京の銀座で12日間ハンガーストライキを行ったことがあります。当時の厚生省が「乳等省令」を改悪し、品質が有害でかつ国内の酪農・乳業を破壊するLL(ロングライフ)ミルクの国内流通を可能にしようとしたのを止めさせた時です。
 水と塩しか摂らないハンスト中、支援の団体においしい水を飲ませてほしいとお願いしたところ、ミネラルウォーターや浄水器の水など何種類もの水が届けられました。
 ハンスト中は感覚全般がとても鋭敏になり、周辺にある草木などの香りをかぎ分けられるくらいです。その状況で口にした何種類もの水の中で一番おいしかったのが、驚いたことにゼンケンの浄水器の水だったのです。最悪はアサヒのミネラルウォーターでした。
 そもそも「工業、農業や家庭排水で環境を破壊していることを放置したままで、家庭で浄水器を購入して自衛する」という浄水器なるものにあまり好感を持っていなかった私にとって、ゼンケンの浄水器を通過した水道水がおいしいという体験はカルチャーショックでした。

品質トップのゼンケン
 ゼンケンの浄水器は「大地を守る会」に紹介されたのですが、ゼンケンは同会が求めるデータを真面目に研究し、提供し続けてくれたので信用できるということでした。
 やがて「暮しの手帖」などの比較試験で、ゼンケンの浄水器が浄水能力でも経済性でも1位の成績を収めました。その後、さまざまな効果をうたう高価な浄水器が次々に登場しましたが、ゼンケンがシェアはまだ小さくとも品質的にはトップメーカーであるという地位はゆるいでいません。

 ゼンケンは天然調味料メーカー・日研フード(株)の子会社として1973年、大阪で設立されました。オーナーの越智宏倫さんが体が弱く、水のことをよく学んだことから「淀川のまずい水道水をなんとかしたい」というのが設立の動機でした。現社長の稲葉喜一さんは設立当時からゼンケンを支えてこられた方です。

 浄水器は、都市水道のくさい水騒ぎなどから当初シャープや松下電器など大手メーカーが開発し、1968年頃から市場に登場しました。1972年に神戸消費者センターが雑菌問題を指摘したことからこの業界は一時壊滅的になりましたが、現在では浄水器は3軒に1軒の家庭に普及するほど一般的なものになっています。
 しかし市販品には、やたら高いだけでうたい文句が詐欺同然のものが多数横行しています。メーカーのチラシを鵜呑みにすることはやめた方がよさそうです。「無意味に高いもの」「活性炭の能力が短期間で低下するもの」「有害物質の除去性能が低いもの」「荒唐無稽な能力をうたうもの」などが実に多いのです。また健康に悪影響が予想される「アルカリイオン水」や、まったくの詐欺といっていい「磁気水」など、あやしげな水商売のオンパレードです。

 水道本管から家庭に出てくる水道水なら、通常では竹炭を使用することで十分で、能力も高く経済的でおすすめです。
 しかし、マンションなど集合住宅で屋上に貯水槽があり、一度外気にオープンになっている場合、管理上高濃度の塩素剤が使われたり、鳥、ネズミ、昆虫などの死骸、藻、レジオネラ菌、赤サビ等が問題となることが多く、中空糸膜などでろ過機能を有する浄水器の出番があります。ただし中空糸膜には使い始めの通水性を高めるために合成界面活性剤が使われている場合があるので、使用当初しばらく水を流して除去すべきです。
 蛇口メーカーは軟らかく加工しやすいように蛇口の金属に鉛を混ぜています。また鉛管からも鉛が出てきます。このような鉛を除去したいときは高性能の活性炭が必要になります。浄水器機能の中心は活性炭ですので、機能性の高い活性炭をできるだけたくさん使用していることがポイントです。少ないとカートリッジ交換までの期間が短くなります。

◇浄水器は主として以下の有害なものを除去することを目的としています。 
農薬……ゴルフ場、農地から
合成洗剤……家庭排水から
トリハロメタン類……浄水場の塩素消毒の塩素と有機物が反応して
ハイテク汚染物質……クリーニング排水、ハイテク工場からトリクロロエチレン、テトラクロロエチレンなど
鉛……給水管、水道蛇口から
臭気物質……ジェオスミン、2-メチルイソボルネオールなどカビ臭
クリプトスポリジウム……塩素消毒でも死なないので問題化

上記以外にもダイオキシン類、環境ホルモンも要注意です。環境監視研究所の調査で、全国各地の都市水道からことごとくノニルフェノールなどの環境ホルモン物質が微量ながら検出されています。

ゼンケンの浄水器の仕組み 6層ろ過で抜群の浄水力(スーパーアクアセンチュリーの場合)
●天然ミネラル石
・長寿の里・棡原の石層を使用
天然石層をくぐりぬけミネラルを含んだおいしい水をつくります。
●高純度粒状活性炭
・ヤシガラ活性炭使用
残留塩素やいやな臭い、人体に有害な有機化合物を活性炭の吸着作用で除去します。
●ブロック活性炭
・ユニチカ(株)石炭ピッチ活性炭(※1)使用
吸着性の異なるブロック活性炭を使用し、有害な有機化合物をしっかりと除去し、高レベルの浄水性能を維持します
●繊維状活性炭
・ユニチカ(株)石炭ピッチ活性炭(※1)使用
総トリハロメタン、農薬、塩素、有機化合物を徹底して除去します。
●イオン交換繊維状活性炭
・イオン交換樹脂使用
溶解性鉛を強力に除去します。
●高性能中空糸膜
・ポリエチレン製(※2)
ミネラル成分はそのまま、赤サビ、ニゴリ、雑菌、原虫、酸化アルミニウムなどの微粒子状金属をシャットアウトし、さらに水を磨き上げます。
●おいしい水(※3)

※1 石炭ピッチ活性炭 残念ながら水道基準レベルの安全性試験しかしていません。石炭原料なのでオルターとしてはメーカーにもっと突っ込んだ安全性試験を求めています。
※2 ポリエチレン製中空糸膜親水性ポリマーでコーティングをしています。ポリマーは恒久的で溶出したりはがれたりしない設計です。
※3 おいしい水 浄水器は水道水をろ過し、有害なものを取り除く装置です。水そのものを活性化する装置としては、オルターで取り組んでいる倉田水やJCSのハイパーネオがあり、浄水器との併用がおすすめです。

市販の浄水器の問題点
多くのメーカーが多様な浄水器を販売していますが、その多くが怪しげなもので、本体もカートリッジもありえない高価さです。とくに10万円を超える品物についてはうたい文句ほどの価値がないものが多く、公序良俗に反していると思っています。
 逆浸透膜を使って水に含まれる物質を除きほぼ純水にするという浄水器もありますが、成分を取り除けばよいというものではなく、健康によくおいしい水はミネラルなどを適度に含んでいる必要があり、その再構築を人為的に行うのは限界があると思います。純水は連用すれば胃壁に穴があくようなものです。よい水=不純物のない水というわけではありません。
 アルカリイオン水は胃酸を中和して、口から体内に侵入してくる防御反応を弱らせるので、医学的には但し書きの添付を要求されているものです。特殊な磁石を使って水を活性化するという話は科学的根拠もなく、効果が確認できません。
 紫外線を取り付けているタイプのものは、有機物に思わぬ反応をしてしまうことがありますので、有機物を多く含んだ水には要注意です。A社のものはその紫外線ランプがありえない性能をうたっており、パンフレットの説明そのものがインチキです。
 逆流洗浄をうたっているB社のものは、国内での通常の湯沸かし器の温度では十分に殺菌されないおそれがあり、雑菌の巣になっている心配があります。カートリッジ交換が国内で行えず、高い価格で新品と交換していました。その使用期間もアメリカの製造メーカーが2年といっているのに、高い値段をごまかすため活性炭の有効期間を7年と勝手に延長しています。
 ついでに市販のミネラルウォーターの問題に触れておきますが、産地の水道水をただ詰めただけのものもあり、ペットボトルのプラスチックにはキャリーオーバーの添加物があります。殺菌するとミネラルなどが変化しますので、西式甲田療法では生水を勧めているくらいです。オルターで取り組んでいる四季の里の水の会のように、無殺菌でガラス容器入りが理想です。

ー文責 西川栄郎ー

ページの先頭へ