![]() |
2009年12月4週号 村上勇治社長と長男・村上博昭さん |
自家牧場から一貫生産の乳製品
珍しい乳製品プラント
北海道上川郡清水町のあすなろファーミング(村上勇治社長)の牛乳・乳製品は、「やさしい草の香りがする」と評判です。
あすなろファーミングは、自然生態系農法で牛を育てる自家牧場の原乳から牛乳・乳製品に加工する、町の小さなプラントです。自家牧場の牛乳を処理するプラントは各地に少しずつ増えてきましたが、牛乳だけでなく生クリーム、ヨーグルト、バターなどの乳製品まで加工している自家牧場のプラントはたいへん珍しいといえます。
自然生態系牧場
あすなろファーミングに原乳を提供しているのは2つの牧場です。社長の長男・村上博昭さんの村上牧場と専務の梶山一幸さんの梶山牧場です。
両牧場とも飼い方は乳牛にストレスを与えないよう、夏は昼夜放牧をしています。朝夕搾乳のときにだけ牛舎に入ってきます。冬期は昼間はパドック、夜間には牛舎で過ごします。牛たちは可愛がられているので、人なつっこく、好奇心旺盛です。
牧草地には農薬や化学肥料を一切使用しません。無農薬無化学肥料にしてから22年経っています。糞尿は堆肥にして牧草地に返しています。堆肥の酸度調整には沖縄のサンゴ粉末を使います。冬期のエサとして牧草をロールレラップサイレージにして貯蔵しています。草以外に比較的少量の穀物を与えています。大麦圧片(カナダ産)、小麦圧片(北海道十勝産)、アマニ粕(アメリカ産)、フスマペレット(カナダ・スリランカ産)、米糠(国産)、ビートパルプ(北海道産)、糖蜜(タイ産)です。遺伝子組み換え作物は使っていません。
ドイツの牧場をお手本に
村上勇治社長が国内では珍しい自家牧場から一貫生産の乳製品作りを始めたのには、モデルがありました。25年前にヨーロッパ旅行をした際、ドイツでドッテンホルダーのオーナーに出会い、カルチャーショックを受けたのでした。ドッテンホルダーではオーガニックの牛乳、チーズ、ヨーグルトの牧場・加工・販売の一貫生産を行っており、販売は売りに行くのではなく、消費者が買いにきてくれるのです。ショップは無人で、お客さんはマイボトルに自分で入れます。当時ホクレンにただ牛乳を出荷していただけの自らの姿とあまりにも違っていたことに一念発起した村上さんはまずオーガニックを志し、さらに1991年には加工工場を実現しました。北海道で牛乳プラントを作ることは、農協やホクレンの圧力があって、たいへん困難なことです。そんな圧力に耐えてこられたのです。
農作物の栽培水準を表示するために、オルターでは独自に下記の区分で生産管理の違いを表示しています。
なお、全ての取扱品目は、有機栽培化への3年以上の努力を経た圃場で栽培されたものです。
※オルター農作物栽培基準に準じ、乾物・加工品の一部も表示を始めます。
3年以上有機努力し、JAS認証も取得。農薬・化学肥料の使用はない。
3年以上有機努力し、農薬・化学肥料の使用はないが、JAS認証は取得なし。
3年以上有機努力し、JAS認証も取得していて、化学肥料の使用なし。ただし、JAS別表農薬を使用しています。
3年以上有機努力し、化学肥料の使用なし。ただし、JAS別表農薬を使用しています。JAS認証は取得なし。
3年以上の有機努力を継続中ですが、やむなく一部に化学肥料や農薬を使用しました。
3年未満の有機努力で転換中。今回の栽培には化学肥料の使用なく、農薬不使用か、もしくはJAS別表農薬を使用していることがあります。
きのこ類の生産に使用される資材については、オルターは以下の原則を守っています。
「伝統的原木・天然資材栽培」菌茸(きのこ)A
「伝統的原木・天然資材栽培」菌茸(きのこ)B
「伝統的原木・天然資材栽培」菌茸(きのこ)C
「伝統的原木・天然資材栽培」菌茸(きのこ)D
「特別栽培」菌茸(きのこ)F
「天然資材栽培」菌茸(きのこ)E
放射性セシウム値(134と137の合算)検出下限値1Bq/kgの検査で放射能測定をした結果、
「不検出」が確認された品ものに表示しています。(Not Detected =「不検出」)
スタッフからのひとこと